歯を残すためにたいせつなこと
歯の役目は咀嚼・嚥下することであり、消化器官の一つといっても過言ではありません。
食事して消化することは生命維持の根本、これらの機能が健全に機能しなくなってしまっては全身の健康維持も困難です。
咀嚼・嚥下の機能を健全に保つことが、健康寿命を延ばすうえでとても重要になってきます。
そのために大切なのは、歯や神経をできるだけ残すことです。
義歯などで咀嚼機能を補完したとしても、噛んだ感覚を脳に伝えたり免疫機能を発揮させたりすることができません。
当院では進行してしまった虫歯の場合でも、マイクロスコープによる精密な根管治療や歯髄温存療法を行うことで
可能な限り歯や神経を残すようにしています。
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虫歯を綺麗に取り除く
虫歯を取り残してしまうとそこから感染が広がってしまいます。かといって大きく削り過ぎると健康な部分までも失われてしまいます。当院ではマイクロスコープを使うことにより、虫歯をしっかり取り除きつつ削り過ぎない、低侵襲の精密治療を行っています。
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歯の神経を守る
虫歯が深いと神経を除去しなければならないケースもあります。しかし、そのような場合でも特殊なセメントで神経を保護し、さらに歯の石灰化を促すことで神経を残せることがあります。当院ではこの「歯髄温存療法」によって神経を極力残す治療をしています。
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大きな虫歯にはしっかり補強を
神経が炎症を起こしていたり病気になってしまったりしている場合は、根管治療によって神経だけを除去し、歯自体は抜歯せずに残すことが可能です。当院ではCT画像での確認やラバーダムなどを用いて感染のリスクのない、精密で安全な根管治療を行っています。
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メインテナンスでしっかり予防
歯を残す&神経を残すには、何よりも虫歯や歯周病にならないことが大切です。定期的にメインテナンスを受け、適切なセルフケアを行うことが、ある意味最大の保存治療です。当院では一人ひとりのリスクに応じ、フッ素塗布や最適な予防のアドバイスをしています。
虫歯の進行と治療
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C1
エナメル質が溶け表面に穴があいている状態
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C2
穴が象牙質にまで拡大している、神経に近い状態
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C3
歯がかなり失われている、神経まで進んだ状態
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C4
歯の根しか残っていない状態

虫歯をきれいに取り除く
なり始めの虫歯は神経から遠く、痛みを感じないため、削って詰めるだけの簡単な治療と感じる方もいらっしゃると思います
「治療したからもう虫歯の心配はない」と思いがちですが、少しでも虫歯菌が残っていると再発してしまう可能性があるのです。削って、再発を繰り返すと歯の健康な部分はどんどんなくなり、歯を失うリスクが高まります。
当院では歯を失う負の連鎖を断つため、小さな虫歯に対しても注意を払い、きれいに取り除く精密治療を行っています。
肉眼だけでなく、マイクロスコープを用いた治療
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肉眼
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マイクロスコープ
小さな口腔内で、虫歯を取り残さぬよう、当院ではマイクロスコープを着用し虫歯治療を行っています。患部を何倍にも拡大してくれるため、肉眼では確認が難しい細かな部分までも、視認できる精密な治療を行うことができます。

歯の神経をまもる
歯髄は歯の健康に不可欠
歯の神経(歯髄)を抜いた後には、様々なトラブルが起こりえます。 歯髄には血管や神経などが通っていて、痛みを感じ危険を知らせるだけでなく、栄養補給や抵抗力を維持するといった役割があります。虫歯によって神経が死んでしまった歯は、これらの大切な機能が働かなくなり、次第にもろくなってしまいます。
ご自身の歯と長く付き合っていくためには、歯髄の役割が非常に大切になります。
神経を残すための処置



当院は、(最初から根管治療しかないケースもありますが、)むし歯が重症であっても、まずは神経を残す努力をする事をお勧めしています。その為、虫歯の程度を確認するレントゲン撮影や、よけいな細菌が入らないようカバーをかけたり、細心の注意を払い治療に努めます。歯の神経を残す努力をしても、神経が死んでしまうと神経を抜く処置をおこないます。まずは、すぐに歯の神経を抜くのではなく、歯の神経を残す努力をする、これが歯を長持ちさせることに繋がっていくのです。

大きな虫歯にはしっかり補強を
根管治療で歯を失うリスクを減らす
虫歯が重症化すると、歯の神経を取らないといけない状態になります。
虫歯によって痛んだ神経を除去し、根管内の汚染物質をきれいに取り除き、歯の神経の通り道にふたをすることを根管治療といいます。
根管治療は、歯を抜かず、ご自身の歯を長く快適に使うための基礎となる非常に大切な治療です。
土台から補強してしっかり噛める歯に


根管治療を終えても、歯の神経を抜かれた歯は、既にむし歯により大きく歯質を失っていることが多いです。
そのため、神経を失った歯はもろく噛む力に負けてしまい、歯の根にひびが入ったり、根が割れてきたりしやすくなります。
大きな治療を終えた歯は、使えるように土台を作りしっかり補強する必要があります。
バランスを考え整った被せもの

歯の補強ができると、歯の形に戻すために被せものをつけていきます。
当院ではご自身の歯と長く付き合っていくために、適合性と他の歯とのバランスを重視しています。
新しい歯が土台と合わない場合、隙間が生まれ虫歯菌が侵入しています。さらに口の中に合わないと、嚙み合わせのバランスが崩れ、歯に過度な負担がかかり割れる原因にもつながります。
全体的なバランスを考えご提案していきます。
根管治療で救うことのできない歯について
インプラント、ブリッジ、入れ歯の必要性

既に神経を失い、歯の根しか残っていない大きな虫歯は、残すことはできず抜歯になるケースが多いです。歯を失ってしまった場合、空いたスペースを埋める必要があります。
- 1噛めるようにする
- 2残っている歯のかみ合わせの負担を減らして守る
- 3歯がないところに隣の歯・かむ相手の歯が傾斜してくるのを防ぐ(噛み合わせの悪化を防ぐ)
インプラント、ブリッジ、入れ歯の三つの選択肢から行うことが出来ます。方法や違いについてはお口の状態からご提案いたします。ご相談ください。